NFTマーケットプレイス「LINE NFT」が2022年4月13日にサービス提供を開始しました。
2月に開始した楽天NFTと同様に、大多数の日本人が知るLINEがNFT事業をスタートしたことで注目を集めています。
NFTや暗号資産、ブロックチェーンなどは新しいインターネットの形態とされるWeb3に関連したサービスです。Web3のサービスはとても理解が難しく、初心者が手を出しにくいのが現状です。
しかし今回、日常的によく使うアプリであるLINEを通じて、誰もがNFTの売買などを体験できるようになりました。
この記事ではLINE NFTの基本情報について触れた上で、LINE NFTが特にNFT入門用のサービスとしてオススメできる理由を解説します。
誰もが手軽にNFTを体験できるLINE NFT
![](https://www.sonomacountymuseum.org/wp-content/uploads/nft/LINE-NFT-1024x338.png)
画像出典:LINE NFT
LINE NFTは、簡単な操作や決済方法でNFTの取引が可能なNFTマーケットプレイスです。
LINE NFTでは、LINEアカウントを持っていればNFTの売買などができます。LINE NFTが提供しているサービスの概要は以下の通りです。
- LINE NFTで取り扱っているNFTの売買
- LINE上の友だち同士でのNFTの交換や送受信
- 購入したNFTの二次転売
LINE NFTはNFT初心者にも使いやすい設計になっています。
具体例として、LINE NFTでは日本円で決済が可能になっています。
世界最大のNFTマーケットプレイスであるOpenSea(オープンシー)をはじめ、ほとんどのNFT取引ではイーサリアムなどの暗号資産が利用されています。
一方、LINE NFTではLINE Payを通じて日本円での決済が可能です。LINE NFTの前身のサービスである「NFTマーケットβ」では、LINE社が開発する暗号資産「LINK」のみが使用可能でしたが、LINE NFTのスタートに合わせて日本円決済にも対応しました。
また、購入したNFTを保管・管理する「ウォレット」の取り扱いも簡単です。
一般的なNFTマーケットプレイスを利用する際は、暗号資産やNFTを保管するために「MetaMask(メタマスク)」のようなウォレットを自分で用意する必要があります。
しかしLINE NFTでは、LINE IDを使って登録できるデジタルアセット管理ウォレット「LINE BITMAX Wallet」と連携できます。これにより、自分で別途ウォレットを用意せずとも、簡単にNFTを購入・保管することができます。
LINE NFTがあくまで「NFT入門」的な位置づけである理由
LINEがマーケットプレイス運営を開始したことの最大の意味は、「誰でもNFTを簡単に利用できる環境が用意されたこと」にあります。
LINE NFTは使いやすいサービスです。しかし、必ずしも「将来性があるサービス」だと言いきることはできません。
NFTや暗号資産に関するサービスは、ブロックチェーンと呼ばれるネットワーク上に構築されます。
そしてLINE NFTの運営には、LINE社が開発した「プライベートチェーン」と呼ばれる種類のネットワークが利用されています。
LINE社のプライベートチェーンで購入したNFTは、LINE NFTのサービスが終了した場合、あなたの手元に残りません。LINE社が「プライベートに」管理をしているネットワークであるため、実はそこで購入したNFTは本当の意味であなたの所有物にならない可能性があります。
一方、OpenSeaなどの世界的なマーケットプレイスは、「パブリックチェーン」の上に作られています。
パブリックチェーンは特定の企業や組織の管理下に置かれていないため、OpenSea自体がなくなったとしても、あなたが購入したNFTはあなたの個人ウォレットに残ります。
LINE NFTもいずれパブリックチェーンに接続していく予定との情報はありますが、現状ではLINE社の管理下に完全に置かれています。つまり、すべてがLINE社の存続にかかっているという意味で、将来性にはやや不安のある状況です。
将来性は今後に期待という部分が多いLINE NFTですが、最大のメリットは使いやすさです。この点は明らかにOpenSeaなどのパブリックチェーンのマーケットプレイスよりも勝ります。
これからNFTを触ってみようという初心者の方は、まずLINE NFTのような使いやすいサービスでNFTに触れてみるのがよいでしょう。そしてNFTや暗号資産の取り扱いに慣れてきたら、少しずつ本格的なパブリックチェーンでNFTを売買してみることをオススメします。
ぜひNFT入門という位置づけで、LINE NFTを利用してみてはいかがでしょうか。