web3で農業を変える!NFTを活用して農家の収入アップを目指すtomajoDAOの挑戦

ウェブスリー-トマジャダオ

NFTやDAOなどのweb3関連テクノロジーは、今後さまざまな領域で活用が見込まれます。

その事例の1つとして本記事では、1点物のNFTコレクション「tomajoNFT」とそのコミュニティである「tomajoDAO」の取組みを紹介します。

tomajoDAOはコミュニティの目標として「web3で農家の所得を上げること」を掲げています。

伝統的産業の代表格とも言える農業と、最先端のテクノロジーであるNFT。

この2つがどのように交わり、シナジーを生み出すのか。

tomajoDAOで起こっている実例を紹介しながら解説します。

tomajoDAOとは

出典:tomajoDAO公式サイト

tomajoDAOは、専業農家であり音声メディアVoicyのパーソナリティでもあるとまたろう氏がファウンダーを務めるコミュニティです。

他のコミュニティと同じくNFTコレクションを発行しており、現在は1点物の作品である「tomajoNFT」を販売。2023年春には、より作品数の多いジェネラティブNFTの発行も予定しています。

現在、tomajoDAOに集っているメンバーは、何らかの形で農業と関わりがある人たちです。

専業農家もいれば、平日は会社員・週末は農家という人、いずれ親の跡を継いで農家になる人、家庭菜園として自分で野菜を育てている人など多様なメンバーが集まり、日々農業に関する情報交換などを行っています。

日本の農業が抱える課題

とまたろう氏がtomajoDAOを立ち上げた際に掲げた理念、それは「web3で農家の収入を上げること」です。その背景には、日本の農業が抱える中央集権的な収益構造の問題があります。

現在、日本の農家が受け取る収入は農作物の売上の約30%です。

みなさんがスーパーで100円のトマトを購入しても、作り手である農家が実際に受け取るのはわずか30円にすぎません。

その理由は、農家と消費者の間に存在するJAや市場、スーパーなどが売上の大部分を吸い取ってしまうためです。

農家を志す若者が少ないのは「農家は稼げないから」ということにも少なからず起因しています。

農家が稼げる仕組みを作りたい!

出典:tomajoDAO公式サイト

この現状を打破するために、tomajoDAOではweb3の技術を活用し、高収益の農作物販売ルートを様々な形で展開しています。

その1つが「他のNFTコミュニティにtomajoDAOの農作物直販所」をおいてもらうことです。この取組みについて、最近動きがあった事例を1つ紹介します。

リリース前にもかかわらず、すでに大きな注目を集めている国内NFTプロジェクトの1つに「Live Like A Cat」、通称LLACがあります。

先日、LLACのDiscordコミュニティの中に、tomajoDAOのメンバーが作る野菜を直接購入できる直販サイトへのリンクが掲載されました。

この仕組みによりLLACのメンバーは、tomajoDAOのメンバーが作る農作物を手軽に購入できるようになりました。

中間マージンを取る存在を排除し、消費者と農家が直接つながって農作物を購入できるルートが実現したのです。

しかも、決済に用いるのは暗号資産です。つまり、決済面においてもカード会社や各種決済サービスを提供している会社に依存することなく、売上の100%を農家が直接受け取れる仕組みになっています。

tomajoNFTが果たした役割は?

tomajoDAOから生まれたこの一連の取組みにおいて、重要な役割を果たしたのがtomajoNFTです。

tomajoNFTがもたらした効果には以下の2点があります。

  • NFT販売による資金調達
  • リテラシーの高い仲間が集まったこと

tomajoNFTは本記事の執筆時点において、1次販売のみで約19ETH(約320万円)の売上をあげています。

この売上がDAOの運営資金となり、活動を継続できる状況が整った結果、先ほどの野菜直販ルートの実現にもつながりました。

もう1つの効果は「リテラシーの高い仲間が集まったこと」です。

web3は最先端の領域であり、ごく一般の人はNFTやweb3という言葉さえ聞いたことがないという世界です。

その中で、今の時点で既にNFTを購入した経験があり、Discordを使いこなせる人は、かなりのリテラシーを兼ね備えていると言えます。

tomajoDAOのメンバーも、基本的に農業と関わりがある人たちである一方で、その多くが日頃からNFTやブロックチェーンなどの学習を続けている人が集まっています。

その結果、コミュニティ内でのやりとりの質も上がり、数多くの取組みが次々と実行に移されています。

お金の問題と仲間集めの問題、この2つを同時に解決する有効な手段として機能するのがNFTの販売です。

これから自分自身でNFTコミュニティを作っていきたいと考えている人には、この2点は無視できない要素であると言えそうです。