「左ききのエレン」がNFT化!マンガを通じて日本がNFT業界に攻め込む

ヒダリキキノエレン

漫画「左ききのエレン」の登場人物である山岸エレンが描いたストリートアート2点が、NFT化されて出品・落札されました。「左ききのエレン」はコンテンツ配信サイト「cakes」で連載中の人気漫画です。

漫画やアニメなど日本のポップカルチャーは、NFTと相性が良いとされてきました。
今回「左ききのエレン」がNFT化されたことは、まさにそれを証明しています。

さらに今回、「左ききのエレン」NFT化の動きにおける特筆すべき出来事として、NFTを出品するプラットフォームも、NFT発行に利用したブロックチェーンもすべて日本発のものであったことが挙げられます。

具体的には、NFTを出品したプラットフォームはtofuNFT(トウフ)、利用したブロックチェーンはAstar Network(アスターネットワーク)です。

ここまで日本勢で固めたNFTプロジェクトで、なおかつ多くの人が知る漫画を取り上げたものは過去にほとんどありません。

この記事では、日本のNFT産業がコンテンツの中身だけではなく、プラットフォームやブロックチェーンなどのNFT周辺領域でも盛り上がり始めた点について解説します。

「左ききのエレン」のNFTアートに関する一連の出来事

画像出典:PR TIMES

まずは今回起こった出来事について簡単に解説します。

2022年4月20日より「左ききのエレン」のNFTアートの販売が開始されました。

出品されたNFTは作中で山岸エレンが描いた「黒い化物」と「チェルシーの夜」の2点です。
「黒い化物」は132,300ASTR(約330万円)、「チェルシーの夜」は200,000ASTR(約500万円)で落札されました。
ちなみに「ASTR(アスター)」は今回NFTの販売に採用されたブロックチェーンであるAstar Networkで使用される仮想通貨です。

NFTの販売にあたり採用されたブロックチェーンはAstar Network、販売プラットフォームはtofuNFTですが、これはいずれも日本発のものです。

現在、NFTの販売においてブロックチェーンはイーサリアム、販売プラットフォームはOpenSea(オープンシー)が利用されることがほとんどです。

イーサリアムはビットコインに次いで時価総額は2位、OpenSeaに至ってはすべてのNFT販売プラットフォームの中で9割以上のシェアを占めていることもあり、NFT販売における選択肢としては王道中の王道です。

しかし今回、「左ききのエレン」のNFT販売にはAstar NetworkとtofuNFTが選ばれ、オールジャパン体制でリリースされました。
これは、日本におけるNFT領域での今までにない大きな一歩と言っても過言ではないと思っています。
日本発のAstar NetworkとtofuNFTは、今後大きく成長することが期待されています。

Astar Networkとは?

画像出典:Astar Network

Astar Networkは、Stake Technolosies(ステークテクノロジー)社が開発するブロックチェーンです。
2019年に日本人の渡辺創太氏が会社を設立し、現在はシンガポールに拠点を移しています。

Astar Networkは「Web3(ウェブスリー)」と呼ばれる新しいインターネットの時代において、基幹インフラとなることを期待されているプロジェクトです。
2021年にはPolkadot(ポルカドット)へ接続する権利を獲得したことでも注目されました。

世界最大規模の仮想通貨取引所Binance(バイナンス)やMicrosoft(マイクロソフト)、日本の本田圭佑氏などからも支援を受けています。

最近では、PENTA(ペンタ)と呼ばれる日本発の「Listen to Earn(音楽を聴いて仮想通貨を稼ぐ)」のサービスの開発もAstar Networkで行なわれており、今後も興味深いプロジェクトが出てくるかもしれません。

tofuNFTとは?

画像出典:tofuNFT

tofuNFTは、仮想通貨アプリ「コイン相場」で知られる株式会社COINJINJA(コインニンジャ)運営のNFTマーケットプレイスです。

tofuNFTは日本展開の前に、海外で大きな実績を残しています。

海外向けのみで運営していた前身の「SCV NFT Market」は、運営開始3ヶ月で月間取扱高10億円を超えました。
これにより、BSC(バイナンス・スマート・チェーン)において、最高出来高のNFTマーケットプレイスになりました。

対応するブロックチェーンも順次拡張しており、OpenSeaを遥かに超える数のチェーンに対応しています。

また、日本語版リリースの際には、日本のトップNFTクリエイター「おにぎりまん」さんとのコラボレーションNFT「Tokyo Pop Girls Collectibles」を発売するなど、現在とても盛り上がりを見せています。

NFTをより深く知っていくきっかけに

「左ききのエレン」がNFT化したことは、より多くの日本人がNFTに興味を持つきっかけになるでしょう。
興味を持たれた方は、コンテンツとしてのNFTアートだけでなく、その周辺のブロックチェーンや販売プラットフォームにもぜひ目を向けてみてください。

NFT産業を日本でもっと根付かせていくためには、コンテンツの中身だけではなく周辺領域から盛り上げていくことも重要です。
NFT関連のブロックチェーンそのものや、NFTプラットフォームの特徴などにも興味を持つことで、よりNFTの面白さに気づいていくことになるでしょう。