本当に稼げる?歩くだけで暗号資産がもらえるSTEPNとは

ステプン

2022年2月から急速に日本でも流行り始めたWeb3サービス。それが「STEPN(ステップン)」です。

STEPNは特定のNFTを保有した状態で歩く、または走るだけで暗号資産がもらえるサービスです。

元々NFTを活用して暗号資産を稼げる仕組みとしては、ブロックチェーンゲームで遊んで稼ぐ「Play to Earn(プレイ・トゥ・アーン)」があります。それになぞらえてSTEPNは「Move to Earn」、つまり「動いて稼ぐ」サービスと呼ばれています。

この記事は「STEPNを始めてみたいけど、暗号資産やNFTのことはよくわからないから不安だな」と思っている人に向けて、以下の内容をわかりやすく解説します。

  • STEPNで稼げる仕組み
  • STEPNで稼ぐために具体的にやるべきこと

この記事の内容を理解することで、ご自身でリスク・リターンを考えてSTEPNを始めるか否か判断ができるようになれば幸いです。

歩くだけで稼げるってあやしくない?

歩くだけで暗号資産を稼げると聞くと、さすがに誰でもあやしいと思いますよね。

しかしSTEPNは、タダで楽をして稼げるわけではありません。最初にある程度の資金を必要とする「投資」です。

詐欺・スキャムのように誰かが悪意を持ってお金を巻き上げようとするものではありませんが、あくまで投資ですからあなたが損をする可能性はあります。

もしSTEPNを始めてあなたが損をした場合、基本的にそれは誰かに騙されたわけではなく、ご自身の知識・経験不足だったと考えるのが正しい姿勢です。

何が正しい情報か見極め、自分の考えで判断して行動する。これができないのであれば、そもそもSTEPNも含めて投資自体をすべきではありません。

STEPNの基本的なしくみ

ではSTEPNを用いて稼げるしくみを説明します。簡単にまとめると以下の通りです。

  1. NFTのデータが入ったスマホを持って屋外を歩くor走る
  2. 条件に応じて暗号資産GST(Green Satoshi Token)がもらえる

NFT(non-fungible token:非代替性トークン)はコピー不可能な唯一無二の価値を持つデジタルデータです。STEPNではシューズの画像がNFTとして扱われています。スマホの画面で実際に見てみましょう。

STEPN‐しくみ

画面の下半分にはこのNFTシューズの能力値が記載されています。このNFTシューズのデータを購入して、それを保存したスマホを持って屋外を移動します。

するとGPSがあなたの移動を感知し、移動した距離や速度、その他シューズの能力などの条件に基づいてGSTという暗号資産がアプリ内のウォレット(暗号資産を保管する財布)に付与されます。

STEPNで稼ぐために具体的にやるべきこと

ではSTEPNを用いて稼ぐための具体的な手順をイメージしてみましょう。ひとつひとつの工程における画面操作などは省きますが、一通りの流れをイメージしてください。

  1. 日本の暗号資産取引所でビットコインなどの暗号資産を購入する
  2. 購入した暗号資産を海外の暗号資産取引所に送金する
  3. その暗号資産をSOL(ソル)という別の暗号資産に交換する
  4. SOLをSTEPNのアプリ内のウォレットに送金する
  5. 送金したSOLを用いてNFTシューズをSTEPNのアプリ内で購入する
  6. NFTシューズを保管したスマホを持って歩くor走る

細かい作業は省きましたが、暗号資産を触ったことがない人にはこれでも意味がわからないものがほとんどでしょう。

1.日本の暗号資産取引所でビットコインなどの暗号資産を購入する

NFTシューズを買うには「SOL」という暗号資産が必要です。

ただし2022年3月末現在、SOLの取扱いがある国内の取引所は「Liquid by FTX(旧:Liquid by Quoine)」のみです。

Liquid by FTXの口座を持っていない場合は、まずビットコインなどの他の暗号資産を購入します。

その後、その暗号資産を海外の取引所に送り込んでSOLに両替をするイメージです。

2.購入した暗号資産を海外の暗号資産取引所に送金する

国内のほとんどの取引所ではSOLの取扱いがありません。取扱いがないということは購入も両替もできません。

そこで、すでに購入した暗号資産をSOLに交換するためにまずは海外の取引所に送金をします。

3.その暗号資産をSOL(ソル)という別の暗号資産に交換する

海外の取引所でSOLに交換します。

ビットコインやイーサリアムはSOLに交換できますが、暗号資産の種類によっては海外取引所でもSOLと交換できないものもあります。

この点は最初に暗号資産を購入する段階で注意が必要です。

4.SOLをSTEPNのアプリ内のウォレットに送金する

NFTシューズを購入する場所はSTEPNのアプリ内です。

したがって、手に入れたSOLはSTEPNに送り込む必要があります。

5.送金したSOLを用いてNFTシューズをSTEPNのアプリ内で購入する

ようやくNFTシューズを買うために必要なSOLをSTEPNの中に用意することができました。

ちなみにLiquid by FTXの口座を持っている方はLiquid by FTXで直接SOLを購入し、海外取引所を経由することなくSTEPNに送り込むこともできます。

ただし送金手数料は海外取引所を経由する方法よりも高くなることがあります。

6.NFTシューズを保管したスマホを持って歩くor走る

ここまで来れば後はNFTシューズが入ったスマホを持って歩くor走るだけです!

ただし、最初は歩いて稼げる時間は10分程度です。

ほとんどの人がNFTシューズ1足からスタートすると思います。

シューズ1足の場合は1日に歩いて稼げる時間は10分が上限と決められています。

1日に稼げる時間を増やすには、追加でNFTシューズを買う必要があります。

STEPNを始める前に知っておくべき注意点

最後にこれまでの内容を踏まえて注意すべき点をお伝えします。大きく以下の3点です。

  • STEPNは自己責任で行う投資である
  • 暗号資産の送金ミスにより資金が消滅するリスクがある
  • NFTシューズは決して安くない

他にも注意すべき点はありますが、特にSTEPNをよく知らない方にも押さえてほしい3つのポイントに絞りました。

では順番に見ていきましょう。

1.STEPNは自己責任で行う投資である

繰り返しになりますがSTEPNはあくまで「投資」です。しかも暗号資産の送金や海外取引所での両替など、それなりに知識が必要になります。

そして、稼いだGST自体が値下がりするリスクもあります。投資に慣れていない人にとって、せっかく自分が稼いだGSTが値下がりしていく様子を見ることは精神的にかなりキツいはずです。

「歩いて稼げる」という結果論の部分だけを切り取れば楽な作業に聞こえますが、今STEPNで稼いでいる人はこういった困難を乗り越えてサービスを利用していることを理解しておきましょう。

2.暗号資産の送金ミスにより資金が消滅するリスクがある

暗号資産の取扱いに慣れない人にとって最も怖いリスクです。

暗号資産は送金時に誤った送り先を設定して送金してしまうと、そのお金が取り戻せなくなる可能性が極めて高いです。これは暗号資産の性質上、カスタマーサポートのようなものがない場合が多く、誰にも相談できないまま資金をなくす可能性があることを意味します。

大前提として「ミスはしない」、そして「ミスをしても自分の責任だ」という覚悟は必要です。

3.NFTシューズは決して安くない

STEPNを始めるにあたり多くの人にとって最も大きなハードルはこれでしょう。

NFTシューズは2022年3月末時点で1足の価格が約15万円です。

ほとんどの人にとって初期投資額としては、決して安いとは言えないでしょう。

これだけの投資をするリスクを背負ってでもSTEPNを始めるのか、自分自身で考える必要があります。

まとめ

今日の話をまとめましょう。

  • STEPNはあくまで投資。リスクは全て自分で背負う。
  • ミスを起こしやすい作業が必ず伴う。
  • NFTシューズは安くはない。

歩いたり走ったりするだけで稼げると聞くと、誰もが乗りたくなる儲け話に聞こえます。

しかし実際は資金面、リスク面で様々なハードルがあるれっきとした投資です。

STEPNを始める時は、今日ご紹介したようなリスク等があることをまずは理解しておきましょう。

その上でみなさんがご自身の頭で考えて、STEPNを始めるのかどうかを判断してもらえればと思います。