2022年11月5日に「Tokyo Alternative Girls(TAG)」というNFTコレクションがリリースしました。
昨今のNFT市場の動向を踏まえ、アローリスト(ホワイトリスト:NFTの優先購入権)所有者は0.002ETH(約480円)、その後の早押し競争では0.005ETH(約1,200円)という格安の価格でミント(NFTを発行すること)ができました。
結果的に10,000体のNFTは即完売。二次流通市場でも活発に取引が行われ、本記事の執筆時点ではフロア価格0.067ETH(約16,000円)となっています。
多くのNFTコレクションが登場しては消えていくことが多いNFT市場において、TAGの前週にリリースしたAopanda Party(APP)も含め、大きく成功するプロジェクトが少しずつ現れています。
この要因はいったいどこにあるのでしょうか。
この記事では、国内で徐々に形成されつつある「NFTで成功したければ勝ち馬に乗れ」というムーブメントについて解説します。
※あくまで2022年11月現在の国内NFT市場を考察したものである点はご理解ください。
国内NFTプロジェクトの勝ち馬は「CNP」
現在、日本のジェネラティブNFTコレクションの市場でトップを走っているのはCryptoNinja Partners(CNP)です。
コレクションの時価総額は100億円の目前まで迫っており、作品1点の価格も約1.8ETH(約43万円)と非常に高額です。
フロア価格が2ETHまで急騰した後、一旦落ち着いてからは1.6〜1.7ETHの水準を下回ることなく順当に成長しています。
CNPホルダーだけが利用できるスマホアプリ「CNP Friends」の機能向上や、地方自治体とコラボした「ふるさとCNP」、CNPホルダーだけが全国のさまざまな店舗等で特典を受けられる「CNP Owners」など、いわゆるユーティリティと呼ばれるNFTに付随する機能も随時拡充しています。
これまでは「ただのデジタルアート」と捉えられがちだったNFTに実用的なメリットを付与しているCNPは、よほどのことがなければ価値は簡単に下がらないと考える人も多いようです。
時価総額国内トップであり、長期的な成長も見込めるという理由から、単純に「値上がりを期待できる銘柄」としても勝ち馬と呼んで差し支えないCNP。
しかし、勝ち馬としてのCNPの真価はこれだけはありません。
有望なNFTプロジェクトのホルダーになることのメリット
現時点でCNPを保有しておくことのメリット、それは「他のNFTコレクションのアローリストを高い確率で入手できる」ことにあります。
CNPの派生コレクションであるCNPJ、リリースから1週間で一気に国内時価総額3位に躍り出たAPP、リリース翌日に0.067ETHまで価格が上昇したTAG、これらはいずれもCNPホルダーに対して一定数のアローリストが配布されました。
これはつまり、CNPを売らずに持っているだけで新しいNFTコレクションを優先的に、しかも0.001〜0.002ETH程度の格安で購入できる権利が与えられることを意味します。
その多くはリリース後に数十倍、数百倍の価格をつけているのですから、投資的側面だけを見てもCNPを保有しておくことのメリットは計り知れません。
CNPは今後もリリース前のいくつかのNFTコレクションについて、アローリストをCNP保有者に配布していくことを明言しています。
現時点では国内NFT市場がCNP一強ということもあり、このようなムーブを講じることができるのはCNPだけかもしれません。
しかし今後、CNPクラスの有望なNFTコレクションが他にも育ってくれば、それらを保有していることによりアローリストの配布を受けられるなどのメリットを享受できる可能性はあります。
CNPホルダーの「ガチホ力」
そしてこのような動きは、APPやTAGなど後続のNFTコレクションの価値を高めることにもつながっています。この点を詳しく見ていきましょう。
CNPホルダーの視点に立てば、CNPを持っていれば新しいNFTのアローリストがもらえるわけですから、CNPを手放す理由がなくなります。
つまり、CNPをガチホ(NFTや暗号資産などを長期的に保有し続けること)する力が高まります。
その結果、CNPホルダーの間には「NFTをガチホし続けるのは当たり前」「長く持っていればいいことがあるかもしれない」という空気感が醸成されます。
すると、CNPホルダーに対して配られたAPPやTAGもガチホされ、コレクションの価値が高まった結果、これらが「次の勝ち馬」になる可能性も出てきます。
この流れが循環していくことで、一度どこかのタイミングで勝ち馬に乗ってしまえば、そこからしばらくは勝ち続けられるフェーズに入っていくことになります。
コレクションを盛り上げたい運営側、投資で利益を得たい投資家側、両者とも今のNFT界隈では何らかの形で「勝ち馬に乗る」ことが最も確率の高い成功ルートと言えるかもしれません。