いまや日本を代表するジェネラティブNFTコレクションとなったCNP(CryptoNinja Partners)。
このCNPが先日、NFTfiというサービスで利用できるようになりました。
NFTfiは、NFTを担保にお金が借りられるピア・ツー・ピアのサービスです。
これまでは海外のNFTが主に取り扱われてきましたが、ついに国産のジェネラティブNFTでも借り入れの担保として認められるものが誕生したことになります。
この記事ではNFTfiというサービスの仕組みや、CNPに担保資産としての価値が認められたことの意義について解説します。
NFTfiの仕組み
NFTfiは、NFTを担保資産として預けることで仮想通貨(暗号資産)を借りられる仕組みです。
一般的に銀行から借り入れを行う際に、土地や不動産などを担保にしてお金を借りることがあります。
仕組みとしてはNFTfiもこれとまったく同じであり、これまでにもNFTfiではCryptoPunksやBAYCといった世界的に有名なNFTコレクションを担保とした資産の貸し借りが行われてきました。
借り入れ可能額は、担保となるNFTの資産価値に依存しています。つまり、高額なNFTであればより多くのお金を借りることができます。先ほどのCryptoPunksやBAYCなどは、たった1点の作品で数百万円相当のお金を借りることもできます。
NFTを担保に差し出すことで借り手はお金を借り、返済期日が来たら利息をつけて返します。
仮に返済ができなかった場合は、担保として預けていたNFTを資金の貸し手に譲渡することになります。
譲渡されたNFTには金銭的価値がついているため、資金の貸し手も「資金は返済されなくてもNFTは受け取れるから、一方的に踏み倒されて損をすることはない」という仕組みになっています。
もちろん、担保資産であるNFT自体の価格は変動するため、NFTの価格が急落した場合に貸し手が損をするケースはあります。
NFTに対する懐疑的な意見
NFTが騒がれ始めた当初から、NFTに対しては懐疑的な意見が投げかけられてきました。
それは「NFTなんて所詮はただの画像だ」というものです。
「ブロックチェーン技術によってたしかに唯一無二性は保証されている。だからといって数百万円、数千万円、時には億を超えるような法外な価格がついて取引されることは馬鹿げている」という批判は止むことがありません。
これに反論する材料として、NFTには「ユーティリティ」と呼ばれるものがあります。
ユーティリティとは、一言でいえば「そのNFTを持っていることによって受けられる恩恵」です。
CNPの場合、ホルダーだけが利用できる歩数計アプリ「CNP Friends」や、全国の飲食店等で割引を受けられる「CNP Owners」、さらにCNPを持っているだけで他のNFTコレクションのアローリスト(優先購入権)を獲得できるといった明確なメリットがあります。
しかしそれでも、「CNPというNFTの画像自体に価値はないだろう」という言説によって、NFTに懐疑的な視線を送る論者は少なからず存在しています。
NFTに担保資産としての価値が認められた
ところが、CNPがNFTfiで利用できるようになったという事実は、この状況を一変させることになります。
NFTfiで利用できるということは、そのNFTが「担保資産として認められた」ということになります。
つまり、今回NFTfiでの利用が開始したCNPも、土地や不動産のような一般的な担保資産と同様に「金銭的価値がある」と認められたことになります。
借り入れ可能な仮想通貨はDAIなどのステーブルコインであることが多く、実質的には法定通貨であるドルを借りるのと同じ意味を持ちます。
NFTに否定的な意見を述べる人は、「ユーティリティはそのNFTが好きな人にとっては価値があるかも知れないが、誰にとっても普遍的に価値があるものとは言えない」というような態度をとってきました。
しかしNFTに金銭的な価値が認められ、これを担保としてお金を借りられるという事実は、誰にとっても揺るぎない普遍的な価値であると考えることができます。
今後はNFTfiや類似のサービスの普及により、日本でも仮想通貨の貸し借りを伴う資金の流動性が向上する可能性があります。
その結果、NFTや仮想通貨に関連する事業やサービスの展開が活性化するかもしれません。
NFTfiに今後どのような国産ジェネラティブNFTが採用されるか、引き続き注目していきたいテーマだと言えるでしょう。